細長い木の板である 「考古学・歴史・情報技術史」

木簡とは古代の東アジアで墨で文字を書くために使われた、細長い木の板である。

紙の普及により廃れたが、荷札には長く用いられた。

木の板に文字を書くことは、文字を知る文化では古くからごく一般に行われていた。

後代にも文字を書いた木というだけなら、落書きした木片や呪いの札など多種多様なものがみられる。

歴史学・考古学の見地からは、それらすべてが過去の生活の様子を伝える貴重な資料であり、広い意味での木簡として研究対象になる。

この意味での木簡は、研究上の概念であり、その時代の人々が字が書かれた様々な木を木簡として一まとめに考えていたわけではない。

その中で、中国と日本では一行または数行の文を書いた細長い板が多数出土しており、典型的な、狭義の木簡はこれである。

これらは当時も木簡と呼ばれていたが、用途や状況に応じて様々に呼ばれた。

漢代まで木簡と竹簡には冊書を作る用途があり、一、二行しか書けないような細長い規格で作られた。

後に長い文書が紙で作られるようになり、木簡の形に対する制約がなくなっても、細長い形はなかなか変わらなかった。
update:2010年03月08日